未来に向けたアクションの可能性にも目を向け始めています。
ハナマルキ株式会社
事業内容:味噌醸造販売および加工食品製造販売
業種:製造業、食品メーカー、卸売業、小売業
導入製品/サービス:弊社との協業による「ProActiveE2人事・給与」を活用した給与計算アウトソーシング(BPOサービス)
ハナマルキ株式会社人事総務部人事総務課
課長 下村 みゆきさん(写真中央)
山村 優香さん(写真左)
沖 尚子さん(写真右)
1918年以来、100年以上にわたって伝統的な味噌づくりのノウハウを継承し、日本人の食文化を支えてきたハナマルキ株式会社。2012年には、塩こうじを搾って液体化した「液体塩こうじ」を発売し、国内外に拡販を進めるとともに、タイに専用工場を新設するなど、積極的な海外展開も進めています。
伝統と進取の精神のバランスをとりながら事業を行う同社では、2021年1月、クラウドERP(基幹システム)のProActiveを活用した、パソナHRソリューションが提供する「人事給与BPOサービス」を導入。
導入に至る経緯や導入後のメリット、コロナ禍を越えた今後の業務のあり方などについて、人事総務部のみなさんにお話をお伺いしました。
▶まずは、サービス導入前に感じていた課題についてお聞かせください。
下村さん
最初にBPOを検討し始めたのは、5年ほど前のことです。当社の人事総務部は営業・製造関係以外のすべての総務や庶務を担っていますが、当時は実務担当者の私と部長の2名だけで、どちらかが欠けたら業務が回らなくなるという精一杯な状況でした。さらに最近は働き方も変わり、それに伴って業務の幅や求められることも拡大しています。ですから、外部に出せる業務は外にお願いして、当社の人事総務部でしかできない業務や、従業員のモチベーションアップにつながる施策などに集中できるようにしたいと考えるようになりました。
それから、社内で複数のシステムがパッチワーク状態になっていたのも課題でした。給与や勤怠管理、会計などそれぞれにシステムが動いていたため、すべてのシステムを理解している人がいないと業務が滞ってしまいますし、マスタの作成・変更にも都度人の手が必要という問題もありました。
そのような状況ですと、給与計算を理解している人員が限られてしまいます。育成するにしても2年ほどかかりますし、後継を育ててもその人が退職してしまうとまた人員不足になってしまう。もし誰かが欠けても滞りなく給与が支払われるようにするには、体制の整備が必要だと考えました。
▶パソナHRソリューションのサービス導入を決定されるまでの経緯をお聞かせください。
下村さん
これまで使っていたシステムが5年ぶりに大型アップデートすることになり、その導入コストが莫大になるということが大きなきっかけになりました。そこで、2020年3月から本格的に切り替えの検討を始めました。
数多くの会社にお話を伺ったのですが、パソナHRソリューションだけが、営業担当の方だけでなくシステム会社の方も同席して、デモや説明をしてくださったんです。説明資料だけではわからない実際の導入の姿が想像しやすく、これなら大丈夫だと安心できました。
それから、当社は締日が15日、支払いが26日と短いスパンで動いています。他社からは「締日か支払日を変更してほしい」と言われるばかりだったのですが、パソナHRソリューションは柔軟に対応してくださったことも、決め手のひとつでしたね。
▶実際の導入プロセスで課題だったこと、不安だったことはありますか?また、それをどのように解決されたのでしょうか。
山村さん
新しいシステムへの移行期間が9カ月と短期だったので、従来システムと並行で従業員データの移行をしている際は、無事に作業が完了できるかが懸念事項でした。ただ、パソナHRソリューション側から、当社の事情を最大限に考慮した業務フローやスケジュールを提案いただいたので、それに合わせて調整しながらデータ整理を進めることができました。
また、切替後に従来の仕組みをどのように運用していくのかや、導入する「ProActive」のシステム機能説明の場を設けていただけたことで、導入後のイメージをつけながら進めることができたのも、安心感につながりました。
沖さん
私は、給与業務に関する経験が一番浅く、まだ一部しか担当していませんでしたし、システム導入の業務も初めてのことだったので、自分にできるのかと不安を感じていました。ですが、「新しいシステムでこの業務はどうなるのか?」という疑問があれば打ち合わせの場ですぐに質問ができましたし、やりたいことに対してパソナHRソリューションやシステム会社の方々が当社に合う手法を提案してくださって。システム上やスケジュール上難しいことであっても、一番よいやり方をお互いに話し合って模索しながら進めることができたので、不安は解消されていきました。
▶導入後、実際に「ProActive」を使って業務をする中で、どのような部分に効果やメリットを感じていらっしゃいますか?
山村さん
以前のシステムはクラウド化されていなかったので、制度改定や年末調整のパッチ適用など、システムそのものを改変する設定を私たちがやらなければならず、負担が大きいと感じていました。クラウド化されている「ProActive」ではその作業がなくなりましたし、パソナHRソリューションが第三者の目で見てくださっているという安心感もありますね。
また、当社はコロナ禍以前にテレワークの仕組みがなかったため、急遽対応を進めました。以前のシステムは会社のデスクトップPCからしか操作ができなかったのですが、今回クラウド化したことで、場所を選ばずアクセスできるようになったのは大きな変化です。
それから、Web給与明細が利用できる点もメリットに感じています。従来は紙明細だったため、テレワークが導入されたとき、不在の従業員の分はロッカーに入れるなどの措置をとったのですが、手渡しできないことや数日従業員の目に触れないことなど、不安感がありました。Web給与明細なら、いつでもどこでも見ることができるので、私たちだけでなく従業員にとっても安心感があると思います。加えて、以前のシステムでは専用の用紙や封緘機が必要で、印刷・封緘・発送だけで半日ほど必要でしたし、郵送のコストもかかっていました。いざ発送しても、営業所のある地域が悪天候に見舞われたりすると期日に届かないということもありました。Web給与明細を導入してから、それらの課題も解決されましたね。
沖さん
従来は、例えば社会保険の変更がある場合や得喪の手続きに際して、確認書類を作った上で工場・営業所とやりとりが必要でした。新しいシステムでは、データをアップ・通知すればどこからでも見られる機能があるので、時間短縮・業務負荷の低減が進みましたし、社内の連携がシンプルになったのも予期せぬメリットでしたね。
それから、以前のシステムでは特定の操作やデータ登録が決められた時期にしかできないという制約があり、業務が集中してしまうことがありました。「ProActive」導入後は、将来的に発生する変更の予定をパソナHRソリューション側に相談しておけばスムーズに対応いただけるので、自分の業務に集中できるようになり効率的だと感じています。
▶ProActiveを活用した「人事給与BPOサービス」の導入が直接的なコスト削減につながっているということですね。
山村さん
そうですね。それだけでなく、人事給与BPOサービスの導入により今まで慣例的に行ってきた業務を見直し、個々の届出の必要性なども洗い出しをしてから「ProActive」へ反映できたので、手続きそのものや帳票類がだいぶ整理できました。実感として、業務全体の負荷は自分の担当分で5割ほど削減されたという実感です。
沖さん
人事給与BPOサービスを導入し、今まで2名でやっていた業務を1名にする方が効率的、というような見直しも行いました。若干の担当替えなどもあったので、私の業務負荷は3〜4割削減されたかなという印象です。
下村さん
以前は、法改正や社内規定の改正があると、それをどうシステムに落とし込むかまで検討する必要がありました。システムに反映してみたものの計算がうまくいかない、他のシステムとの連携がとれないということもありました。人事給与BPOサービスの導入によってシステム間の連携が整理されましたし、規定の改正内容をパソナHRソリューションに相談すると、費用やスケジュール、各種の制限などを含めていくつかの対応パターンを示していただき、選択して反映いただくことができるようになり、プレッシャーとストレスから解放されたと感じています。
▶今回の人事給与BPOサービスの導入も踏まえて、今後、人事総務部として挑戦していきたいこと、強化していきたいことについてお聞かせください。
沖さん
私はハローワークの届出等の業務も担当しているのですが、調査や細かい数字の計算などが必要なので、提出期限がある中でも焦らずやりたいと考えています。ですから、今回効率化できた分、そういった作業をより慎重に、正確に進められるように時間を充てていきたいです。また、「ProActive」の導入によってデータ取得が以前より容易になったものもありますから、それらを活用しながら業務を進めていけるといいですね。
山村さん
今回、人事給与BPOサービスを導入したことで、集計結果をデータでいただけるようになり、確認作業などがかなり軽減されました。現在、研修や自己啓発の通信講座などの業務も担当しているので、新システム導入によってできた時間を従業員に還元する方向に割いていきたいと考えています。
下村さん
人事総務の仕事は、計算したり写したりする仕事も重要なのですが、そういった単純作業はシステムで行う環境を整え、人間にしかできない「考える」「創造する」「コミュニケーション」といった仕事に注力していきたいですね。会社と人、従業員どうしの架け橋となる仕事をするという、人事総務の楽しさを実感できるようになればと思います。
また、コロナ禍やそれに伴うテレワークなどでコミュニケーション不足が懸念されています。本社のフリーアドレス化も進めてきましたが、今後は組織内のコミュニケーションを促進するツールの導入なども含めて、より従業員満足度の高い職場づくりも検討していければと考えています。
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