2023年03月08日 15:00 #女性活躍推進
1975年3月8日に国連で提唱され、女性の社会参加や権利向上を呼びかける啓発の日として定められた「国際女性デー」。日本にとっても重要課題の一つであるジェンダー平等の達成に向け、多くの企業や個人が取り組みを進めているものの、その活動内容については詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、国際女性デーとはどのような日なのか、その概要や目的、企業の取り組み事例についてわかりやすく解説します。
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国際女性デーとは、国連によって制定された「女性の権利や政治・経済分野への参加」を推進していくための記念日です。女性差別の撤廃や平等な環境の整備を広く呼びかける啓発活動の日として、国際女性デーを表す「International Women's Day」の頭文字をとって「IWD」とも呼ばれています。また、国や言葉、文化、政治、経済などの壁にとらわれず、これまでおこなってきた取り組みやその成果をあらためて確認する日でもあります。
国際女性デーの期間は、さまざまな国や地域で国連が決めたテーマに合わせたイベントが開催されます。男女共同参画に関する政策や女性活躍推進の取り組みが加速するなか、近年は企業が企画する啓発イベントも増えています。
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イタリアでは、2〜3月に訪れるミモザの季節に重ね、黄色いミモザの花をシンボルとした「Festa Della Donna(フェスタ・デラ・ドンナ:女性の日)」として親しまれています。日本で「母の日」にカーネーションを贈る風習があるように、イタリアでは身近な女性に感謝の気持ちを込めて、明るく華やかなミモザの花を贈る習慣が浸透しています。
アメリカでは、国際女性デーの3月8日に合わせ、これまで女性が歩んできた歴史や権利向上の活動を称える期間として毎年3月を「女性史月間」としています。また、中国では3月8日を「女王節」や「女神節」と呼び、お祝いとして女性にプレゼントを贈ったり、働く女性に半日休暇の取得を奨励したりしています。
さらにフランスでは、国際女性デーに関連するセミナーやイベント、パネルディスカッションなどが開催され、各地で女性の権利向上を訴える抗議デモがおこなわれることもあります。
世界的にも、国際女性デーのシンボルカラー・イメージカラーには黄色(ミモザカラー)を使用することが多く、女性への称賛の想いを込めて、イベントや催しにミモザの花を飾ったり、イエローアイテムを身に着けたりしながら、ジェンダー平等の実現に向けたさまざまな取り組みが実施されています。
国際女性デーは、1908年3月8日のアメリカ・ニューヨークにて、賃金と長時間労働の改善、婦人参政権を求める人々がデモを起こしたことが起源であるといわれています。1910年には、デンマーク・コペンハーゲンで開催された国際社会主義会議で、ドイツの政治家であるクララ・ツェトキン氏が「女性の政治的自由と平等のために戦う記念日を設けよう」と提唱し、全会一致で承認されました。
その後、第27回国連総会(1972年)において「平等・発展・平和」の目標を世界的規模の行動で取り組むために、1975年を「国際婦人年」とすることを決議。同年、3月8日を「国際女性デー」と定めました。
現在では、3月8日を祝日として制定する国もあるなど、世界中に国際女性デーの認知が広がっています。
国際女性デーの目的は、女性差別の撤廃や女性の平等な社会参加が実現できる環境の整備など、女性の権利を守る取り組みを世界全体に広く呼びかけることです。性別を問わず、誰もが自分らしく輝ける社会の実現を目指すために、毎年3月8日に世界各地で開催する記念イベントや催しを通じて社会に変革を呼びかけています。
また、ジェンダー平等に向けて歴史上すばらしい活躍をした女性の勇気と決断を称え、いま一度女性の置かれている地位を見つめ直すべく、それぞれの国や地域の歴史と伝統に応じたさまざまな働きかけをおこなうことも目的の一つです。
世界各国の男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数」が下位の日本(世界経済フォーラム調べ)においては、女性の政治参画・経済参画の面で多くの課題があります。「女性の大臣・国会議員の少なさ」や「企業の女性管理職の少なさ」について、また「非正規雇用者に占める女性の割合の高さ」や「男女の賃金格差」などの課題解決に向け、啓発活動のきっかけとなる国際女性デーにおける取り組みを国や企業が中心となって推進していくことが大切です。
3月8日の国際女性デーでは、国連が毎年テーマを定め、そのテーマに基づいた女性を取り巻く問題について世界中で課題意識を共有します。
たとえば2021年の国際女性デーは、平等な未来の実現とコロナ禍からの回復に取り組む女性たちを称えるテーマとして「リーダーシップを発揮する女性たち:コロナ禍の世界で平等な未来を実現する」が設定されました。また、2022年のテーマは「持続可能な明日に向けて、ジェンダー平等をいま」で、持続可能な未来を築くために、気候変動への適応・緩和・施策を主導する世界中の女性たちの貢献を称えるものとなりました。
そして今年、2023年の国際女性デーのテーマは「全てをデジタルに:ジェンダー平等のためのイノベーションとテクノロジー」です。デジタルジェンダーギャップが経済的・社会的不平等の拡大に与える影響を調査し、女性の権利を保護すること、サイバー空間で発生する女性への暴力に対処することを課題としています。
近年、国際女性デーを意識した企業の啓発イベントや企画が増加しています。ここでは、国際女性デーにおける企業の取り組み事例を3つご紹介します。
日本マイクロソフトでは、2018年、2019年に国際女性デーにまつわる社内イベントを開催しました。3月8日、女性社員には感謝の気持ちを込めてミモザのブーケを配布するなど、全社一体となって啓発活動をおこなっています。
また、2019年にはJR品川駅の港南口にて、執行役員常務ら日本マイクロソフトの社員が品川で働く女性たちにミモザのミニブーケを配布しました。社内だけではなく社外に向けても、女性に感謝し応援する取り組みを実施し、1日の活動を通してたくさんのエールを送りました。
参考記事:共同通信PRWire『女性がもっと輝いて、楽しくやりがいを持てる環境へ。日本マイクロソフトの国際女性デーの取り組み』
NECグループでは、国際女性デーである3月8日に合わせて社内オンラインイベント「NEC Inclusion & Diversity Day」(2022年)を開催。全世界から約1万3,000人のNECグループ社員がリアルタイムで参加しました。
同イベントでは、多様な人材が活躍できる会社、継続してイノベーションを生み出せる会社を目指し、NECグループでいきいきと働く女性たちを紹介する映像が公開されました。また「多様性とキャリア」をテーマに、Webメディア「ハフポスト日本版」との連動イベントを開催したり、グループ会社のリーダーたちによるパネルディスカッションを実施したりと、女性の平等や社会参画への意識を社内全体で高めています。
参考サイト:NEC『インクルージョン&ダイバーシティ』
Appleでは、国際女性デーを祝し、3月の月間を通じてミュージシャンやアーティスト、アプリケーション開発者などさまざまな分野で活躍する女性たちの作品・ストーリーに焦点を当て、その活動を称えています。たとえば、Apple Booksでは女性ならではの物語や体験が語られる本をピックアップしたり、Apple Musicでは才能あふれる女性アーティストを前面に押し出したプレイリストや特集記事を集めたりと、クリエイティブな女性たちの活動・活躍が取り上げられました。
また、国際女性デーに合わせた企画は世界各国の店舗でも開催されています。たとえば2020年には「創造する彼女」と題し、女性クリエイターが中心となって参加するセッションが行われました。
参考サイト:Apple『Apple、国際女性デーを祝し、女性プログラマーおよびクリエイターを称える』
『Apple、世界の直営店で “創造する彼女” イベントを開催』
国際女性デーとは、女性の権利や政治・経済分野への参加を推進し、女性差別の撤廃や平等な環境の整備を呼びかける啓発の日です。国際女性デーの3月8日に合わせ、毎年国連が定めるテーマに沿ったイベントが世界各国で開催され、女性の生き方やジェンダー平等についていま一度考えるきっかけとなっています。
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女性活躍・男女共同参画の取り組みが加速するなか、近年は国際女性デーを意識した企業による啓発イベントも増えています。ジェンダー平等は世界共通の目標であり、企業としても積極的に取り組むべき課題の一つです。今回ご紹介した取り組み事例を参考に、女性社員の活躍に感謝し、エールを送るような企画を考えてみてはいかがでしょうか。
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