2024年01月09日 17:47 #人事トレンド
昨今の人事のトレンドとして、中途採用の競争激化があります。新卒採用よりもさらに限られた範囲の人材を、各社が奪い合うような状況に突入しているといえるでしょう。
そして、現在の中途採用市場で中心となっている層がミレニアル世代です。いわゆるデジタルネイティブとも呼ばれる世代で、それ以前の世代とはビジネススキルや人生の価値観において一線を画し、後に続くZ世代ともやや異なる特徴を持ちます。
本記事では、ミレニアル世代の特徴やZ世代との違い、採用の際のポイントを紹介します。最後まで読めばミレニアル世代への理解が深まり、人事施策に活かすことができるでしょう。
------------------------------------
------------------------------------
ミレニアル世代とは、一般に2000年以降に社会人になった世代を指します。1981~1996年頃に生まれ、2024年時点で28~42歳になる人たちが該当します。
語源は英語のMillennial(ミレニアル)です。「千年紀の」という意味を持つ形容詞であり、米国で2000年以降に成人した人を「ミレニアルズ」と呼ぶことに由来した名称です。
ミレニアル世代が注目されたのは、2014年の世界経済フォーラムにおいて「ミレニアル世代は他の世代とは異なる独自の価値観を持つ世代」と指摘されたことがきっかけです。これは、ミレニアル世代が、IT技術が飛躍的に進展する時代を経験してきたためといわれます。
日本でもインターネットが普及し始めたのがちょうど1996年あたりです。ミレニアル世代は、一般家庭にパソコンやガラケーが普及し、アナログからデジタルに変わり、スマートフォンやSNSが登場してきた時代とともに成長してきました。そのため、ITリテラシーが高く変化に柔軟に対応できる人材が多い特徴があります。
今やミレニアル世代は多数派になりつつあります。三菱総合研究所のレポートでは、2025年以降にはミレニアル世代が日本の労働力人口の半数を超え、従来型のキャリア志向者が少数派になると指摘されています。
(参考:株式会社三菱総合研究所 MRIマンスリーレビュー 2020年1月号)
Z世代とは、一般に1997~2012年に生まれたミレニアル世代の次の世代を指します。2024年時点で12~27歳になる人たちが該当します。
デジタルネイティブという点ではミレニアル世代と共通するものの、Z世代はよりネット環境が整備された時代に育ったため、スマートフォンやSNS、アプリなどをさらに自在に活用します。ただし、スマートフォンの機能が拡大した時代に育っているため、パソコンをあまり使わない傾向があります。
また、この世代はオンラインの危険性も認知しており、個人情報に注意した使い方をします。インターネットを通じて自然環境の悪化や世界のテロや動乱、格差社会の拡大を知っているため、社会問題への関心も高い傾向があります。
消費の際も、ブランドイメージより商品そのものの価値や企業の理念や行動を重視し、自分たちが支持するブランドに積極的にアプローチするところはZ世代の特徴といえるでしょう。
ここでは、ミレニアル世代の特徴を記載します。
ミレニアル世代の幼少期にはすでにパソコンやゲーム機などが普及していたため、パソコンやスマートフォンなどのデジタルツールを使いこなす能力が高いところが特徴です。例えば、何か調べたいことがあった場合、人に聞いたり本で調べたりするよりも先にGoogle検索をします。
また、SNSを通じて人間関係を形成することに抵抗が少なく、オンラインコミュニティを自然に活用します。商品購買に際してもインフルエンサーの商品紹介を参考にすることが多く、SNSはミレニアル世代にとって不可欠な情報源といえるでしょう。
ミレニアル世代はワークライフバランスを大切にし、プライベートを重視する人が多く、プライベートを犠牲にしてまで働くことは好まない傾向があります。
仕事は人生の一部に過ぎないと考え、長時間の残業や休日出勤は避けて、家族との時間を大切にする人が多いのが特徴です。家事や育児も、性別による分業ではなくジェンダーレスに捉える傾向があります。
日本人は一般に同質性が強く、人と異なる行動を敬遠するといわれます。しかし、ミレニアル世代は比較的「違い」に寛容であり、多様性や個性を大切にする傾向があります。
多数派とは違う独特の個性を尊重できるため、自分自身も「その他大勢と同じではない個性」を追求する傾向もあります。これは、SNSを通じて自分と異なる考え方やライフスタイルに多く触れたり、発信によってつながりを構築したりするなか、自分の個性や影響力を自覚する経験をしてきたためといわれます。
バブル~氷河期までの世代は、物を多く所持すること、高い商品を購入することが豊かさのステータスでした。一方、ミレニアル世代は商品の対価に対してどのような効果があったかという「コスパ(コストパフォーマンス)」を重視し、購買を決定する傾向があります。
「タイムパフォーマンス(タイパ)」と呼ばれる時間対効果にも敏感です。コスパとタイパの重視は、ミレニアル世代を理解するうえでのキーワードの一つでしょう。
以前の日本は終身雇用が一般的であり、新卒で入社した会社に定年まで勤めることが当たり前でした。しかし、ミレニアル世代はバブル崩壊やリーマンショック以降、日本の大手企業すらリストラを定期的におこなう時代を生きてきました。
そのため、企業に対する過度な期待がなく、同じ会社に定年まで勤めるよりも転職してキャリアアップを目指す働き方を支持する傾向があります。フリーランスとして独立したり起業したりするケースも多く見られます。転職志向・自立心の強さ・スキルアップ意欲の高さもこの世代の特徴です。
ミレニアル世代を採用する際は、以下の点を意識しましょう。
プライベートを重視することがミレニアル世代の特徴です。採用活動においては、ワークライフバランスを大切にする会社であることがアピールポイントになります。フレックスタイム制・時短勤務・リモートワーク・副業兼業の解禁など多様な働き方のできる体制を確立することが重要です。
ミレニアル世代は、SNSを用いたコミュニケーションに積極的です。そのため、X(旧Twitter)やFacebook、Instagram、YouTubeで採用情報を発信することは有効な手段となります。可能な範囲でオフィスの雰囲気や社員の声、研修の様子など等身大の姿を発信することは、自社の理念にマッチする人材の応募を促すことにつながるでしょう。
ミレニアル世代も社会問題への関心が強い世代なので、企業の社会的意義に共感できるかどうかが求人に応募する際の大きなポイントとなります。採用活動においては、業務の社会的意義を伝えることが重要です。公式サイトや採用コンテンツなどで企業理念やビジョン、これまでの歩みなども積極的に発信して、他社と差別化していきましょう。
今後はミレニアル世代以降が多数派になっていくため、もしこの点があいまいならこの機会にきちんと言語化することをおすすめします。
日本でもミレニアル世代が労働人口の中核を占めつつあります。ミレニアル世代は2000年以降の厳しい時代を生き抜いてきたため、仕事の能力やビジネススキルの高い人材が多いところが特徴です。社会がアナログからデジタルに移行する時代を生きてきたため、新旧の社会の仕組みや人々の価値観を理解できる世代でもあります。
自立心が強い人材が多く、転職によるキャリアアップにも前向きな傾向があるため、ミレニアル世代の採用を積極的に進めることは、企業の競争力強化につながることが期待できます。
ただし、中途採用はスキルや社風、ポジションとのマッチングまで考慮すると非常に難易度が高い選考です。
パソナでは「採用代行サービス」を提供しています。採用サポートの専門スタッフが、必要な人材のスキルや人物像を把握して求人サイトやエージェントを活用したオペレーションを実施しています。キャリア採用人材のミスマッチや母集団形成の難しさという課題の解決を支援します。また「中途採用をサポートする人材紹介サービス」では人事や経理、法務などの専門人材、管理職や経営層を担うハイクラス人材、女性の採用支援に対応しています。中途採用に課題を抱える人事担当者の方は、下記リンク先で詳しい内容をぜひご参照ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
労働人口が減り、企業成長に繋がる優秀な人材を獲得するための採用環境は、各社様苦戦を強いられる状況が続いており、採用成功には、独自の工夫を必要になっております。
そこで本書では、優秀な人材の獲得に成功している企業がどのようなことを実践しているのか、ポイントを解説します。
採用が難しいハイクラス採用を成功させてきたパソナから、とっておきの情報をお伝えします!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2023年12月12日 08:30
生産年齢人口の減少とともに、企業の人材確保は年々難しくなっています。また、転職が当たり前の時代になり、入社した新入社員が早期離職することも珍しくなくなりました。懸念すべきは後ろ向きな離職だけでなく、キャリア志向が強いがゆえの離職も増えている
2023年11月28日 08:30
日本は少子高齢化が急激に進み、人口減少のフェーズに入っています。近い将来、深刻な労働力不足になる可能性が非常に高いため、多様な人材が能力を最大限に発揮して活躍する社会のあり方がますます求められるようになりました。 ビジネス領域では、これまで