2021年07月20日 16:52 #BPO
あらゆる業務・部署でBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の活用が進んでいます。
その中で、BPO市場がどれくらい伸びているのか、また最近のトレンドについてお伝えします。
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<目次>
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2020年に矢野経済研究所が実施した調査によると、2019年度のBPO全体の市場規模は、事業者売上高で4兆3,491億5,000万円としており、前年比3.3%増と推計しています。
上記の矢野経済研究所の調査と時期が外れますが、
パソナグループの2021年度5月の決算発表を見てみると、「BPOサービス」セグメントでは、
業務の効率化や⽣産性向上を⽬的とした需要も継続しており、前年同期比14.3%増となっております。
パソナグループ決算情報 https://www.pasonagroup.co.jp/ir/data/brief.html
昨年からの新型コロナウイルス蔓延の影響から、経済が止まってしまいましたが、BPO市場としては増加し、益々企業として注目されていきます。
矢野経済研究所としても、将来展望として、人材不足、働き方改革、DX推進などの影響により、BPO市場は今後も堅調に成長していくとみています。
その他、BPO市場が取り巻く環境として、「BCPへの注目」「グローバル化」などのようなものも考えられます。
それぞれの要因に置ける今後の展望について具体的にみてみましょう。
日本の人口は2008年をピークに2011年以降は減少が続き、将来的にも減少が続く見込みとなっています。その中で、帝国データバンクによる調査(2021年4月)によると、企業の37.2%が正社員不足としています。
⇒BPOによる効果
・業務調査による業務フローの可視化・標準化を図り、1人当たりの業務量を減らします。
・業務センター化をし、1か所に集めることによって、業務の効率化を図ります。
働き方改革とは、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることと、厚生労働省は示しています。
近年、働き方改革法案として、下記のような法改正が順次始まっています。
⑴年次有給休暇の時季指定
https://www.pasona.co.jp/blog/area/toyota/20190619_01.html
⑵時間外労働の上限制限
https://pasona-hrs.co.jp/column05
⑶同一労働同一賃金
https://www.pasonagroup.co.jp/media/index114.html?itemid=2316&dispmid=796
⇒BPOによる効果
・ノンコア業務をアウトソースすることによって、業務フローを見直し、長時間労働を是正させます。
・社員にコア業務に専念してもらうことで、従業員の満足度も向上し、離職率の改善にもつながります。
経済産業省が、デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と、定義しています。
また、「2025年の壁」として、既存システムの複雑化・ブラックボックス化による維持管理費が莫大になり、2025年以降に最大で、年間約12兆円の経済損失を被ることになるという問題もあります。
⇒BPOによる効果
・ノンコア業務をアウトソーシングすることによって、DX推進に対して社員が注力させることができます。
・業務調査を行い、何を変革すべきなのか、また、加えてデジタル化・アウトソーシング化できるものはないのかを見極め、業務フローを変革していきます。
BCP(事業継続計画)とは、Business Continuity Planの略で、
「企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと」です。(中小企業庁)
以前より地震大国であり、様々な自然災害などを想定する必要がある日本では、進めるべき事項として取り上げてこられましたが、2020年の新型コロナウイルス蔓延の影響で、一気に拍車がかかりました。
⇒BPOによる効果
・業務調査からマニュアル化・標準化を図り、業務の属人化から脱却させ、何か災害などの緊急事態が発生した際にも、事業継続できるようにします。
・地方でアウトソーシングを運用することにより、都市部などでの災害があった際でも、業務継続できるようにします。
人口減少の影響に付随して、多くの企業が、国内市場の頭打ちから、海外市場へ活路を見出すようになっています。しかし、2020年の新型コロナウイルスの蔓延による影響で、海外活動が鈍化し、海外売上高が減少、深刻なダメージを与えました。そのような中でも、JETROが行った20202年の調査によると、「新規の海外進出意欲は衰えず」と言及しています。今後のafterコロナ・withコロナという状況下で、次第にグローバル市場へ進出・売上高増加が進んでいくことになるでしょう。
⇒BPOによる効果
・新規海外進出における、行政手続きなどをアウトソースすることで、スピード感もって進出することができます。
・海外進出、海外売上増加に伴い海外赴任者が増加、グローバルでの人事対応が必要になります。そこで、海外関連の給与計算・労務管理などをアウトソーシングすることで、海外ビジネスを一気に加速させることができます。
BPO市場は、今後も伸び続けていきます。それだけ、多くの企業がBPOを検討されていることになります。
その要因として、「人材不足」「働き方改革」「DX推進」「BCPへの注目」「グローバル化」という点をあげました。細かく見るともっと多様な要因がありますが、大枠として、会社として上記のようなことを推進するにあたり、BPOをご検討してみてはいかがでしょうか。
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