2022年01月21日 16:20 #健康経営 #ウェルビーイング経営
健康長寿社会の実現に向けて、企業が早急かつ戦略的に取り組むべき課題である「健康経営」。中でも優れた健康経営を実施している「健康経営優良法人」を目指すには何が必要なのか、具体的な施策を知りたい企業担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、近年重要視されている健康経営優良法人の概要やメリットとともに、認定を目指すために必要な5つのポイントを解説します。
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■2022年度版/健康経営優良法人認定を目指すために必要なポイントは?
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健康経営とは、社員一人ひとりの健康維持・増進について経営的な視点で取り組み、管理していくことです。特に優良な健康経営を実践しているとして認定を受けた企業・法人を「健康経営優良法人」といいます。
高齢化が急速に進む現代においては、人生100年時代を見据えた経済社会システムの構築が急務です。深刻な人手不足や医療費の増加といったさまざまな問題がある中で、多くの企業が健康経営の推進や健康経営優良法人への取り組みを始めています。
健康経営優良法人を認定する「健康経営優良法人認定制度」は2017年度からスタートしました。同制度は大規模な企業を対象とする「大規模法人部門」、中小規模の企業を対象とする「中小規模法人部門」に分かれ、それらの上位500法人をさらに「大規模法人部門ホワイト500」「中小規模法人部門ブライト500」として認定しています。
大規模・中小規模の区分けは業種ごとの従業員数で決められます。
2021年には大規模法人部門で1,801法人、中小規模法人部門で7,934法人が認定されました。
2022年では大規模法人部門に2,299法人、中小規模法人部門に12,255法人が認定され、2021年に比べて大幅に増加しており、関心度の高さがうかがえます。
近年の少子高齢化や労働人口の減少に伴い、人材を確保するための争奪戦は今後ますます激化するとみられています。企業としては在籍中の社員にできる限り長く活躍してもらわなければならず、そのためには社員一人ひとりがかけがえのない存在だと認識し、経営戦略・リスクマネジメントの一環として健康支援の強化と環境整備が必要です。
健康経営優良法人として認定されれば、自社の取り組みを内外に向けて「見える化」できます。認定制度をうまく活用し社会全体にアピールすることで、結果として大きなメリット・インセンティブを受けられることが、健康経営優良法人認定が重要視される理由の一つといえるでしょう。
健康経営優良法人として認定されるメリット・インセンティブには以下が挙げられます。
社員の健康を考え、健康経営を実践している企業は、採用活動においてその取り組みを大きくアピールできます。ストレス社会といわれる今だからこそ、社員の心身のケアを重視し、積極的に健康の保持・増進に努めている企業は、就職希望者にとっても魅力的に映るでしょう。
自治体のインセンティブ措置としては、融資の優遇や補助金、奨励金のほか、入札における加点評価や企業就職説明会への優先参加などが実施されています。金融機関でも同じく、融資の優遇や保証料の減額・免除といったインセンティブを付与しています。
健康経営優良法人に認定されれば、社員の健康保持・増進に積極的に取り組む企業として社会的なイメージアップが期待できます。長期的な企業イメージや企業価値を重視する投資家から魅力のある企業だと判断され、企業としてのリターンが期待できるでしょう。
健康経営により働きがいのある企業となることで、社員一人ひとりの活力・意欲が高まり、組織の活性化につながります。結果的に組織全体の生産性や業績の向上にも期待が持てるでしょう。さらに、企業が将来の投資として社員の健康支援を行うことで、疾病者や休職・退職者の増加による人材不足や生産性低下といったリスクに備えられます。
健康経営優良法人の認定を目指すには、認定要件を正確に把握し、一定の基準を満たすように進めなければなりません。
例えば「健康経営優良法人2022」では以下の認定要件が挙げられています。
1. 経営理念・方針
経営者が社員の健康保持や増進に取り組み、社内外へ発信していること
2. 組織体制
管理職、責任者、担当者などが社員の健康保持や増進に取り組んでいること
3. 制度・施策実行
健康経営の制度を構築し、課題解決を実施していること
4. 評価・改善
実施された制度に対する評価や効果検証制度が整備されていること
5. 法令遵守・リスクマネジメント
労働基準法や労働安全衛生法などを遵守していること
参考:経済産業省|健康経営優良法人2022(大規模法人部門)認定要件
なお、2021年の審査では新型コロナウイルス感染症による影響が考慮され、救済措置がとられています。コロナの流行により一時的に健康経営の取り組みを実施できなくなったとしても、コロナ前に積極的に取り組んでいた法人については、健康経営の活動を継続しているとみなされました。
企業が認定を目指すために必要なポイントには以下が挙げられます。
1. 社員への教育機会を設ける
健康の保持・増進は重要であるという風土醸成のために、経営層、管理職、社員すべてに健康づくりを習慣化できる教育・機会を継続して設定する。
2. ITの活用と環境づくり
ストレスチェックや健診データの一元化、社員の残業や有休取得状況が把握できるシステムの構築など、ITを活用し健康管理の環境を整備する。
3. コストを考えた施策づくり
継続性を重視し「コストをかけすぎない施策」を検討する。
最初から大きなコストをかけて短期で効果を期待するよりも、成果がすぐに出ないことを踏まえ、まずは⻑期的に取り組める施策を行う。
4. 積極的なコミュニケーション
コロナ禍でテレワークが増加するなど、コミュニケーション不足となりがちな状況に対応できるよう、日常的に「ヘルスコミュニケーション(健康に関連した情報の伝達)」を意識する。
5. 産業医・保健師を活用する
健康経営に取り組む企業が増える中、社員の健康に寄り添う産業医・保健師の役割は年々増してきている。また、専門医に気軽に相談できる窓口の設置、健康経営の知見を持つ外部コンサルタントの活用も有効である。
【関連サービス】
健康経営優良法人の認定とは、優良な健康経営を実践している企業・法人を顕彰する制度です。認定を受けるとさまざまなメリットやインセンティブがあることから、近年多くの企業が経営戦略の一環として健康経営の取り組みを進めています。
健康経営優良法人認定を目指すには、認定要件や必要なポイントを正しく理解したうえで実践することが大切です。企業は、健康経営の専門的な知見を持つ産業医や保健師、外部コンサルタントなどを活用し、いつでも相談できる環境を整備しておくとよいでしょう。
※健康経営®は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
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