近年は、世界的にデジタルシフトが進んでいます。先進国だけでなくアジア、アフリカなどの新興国も急ピッチにデジタル化しており、各国から新たなイノベーションがうまれています。
このような変化の激しいビジネス環境の中で、日本企業が競争力を強化するためには、業務のデジタル化・DX推進は、もはや待ったなしの状況だといえるでしょう。
DX人材が不足している日本において、DX成功の鍵を握るのが、社内テクノロジストによるローコード開発です。ローコード開発による内製化で自社ビジネスを支える体制を構築することは、DXを加速させイノベーションを創出することにつながるでしょう。
そのための社内テクノロジスト(DX人材)育成は、人事にとって優先順位の高い課題の一つだといえます。
本記事では、DXやローコード開発の概要、企業が社内テクノロジストを育成するメリット、DX人材育成のポイントを解説します。
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■ローコード開発を内製化し人事が社内テクノロジストを育成するメリット
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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、データ・デジタル技術・ITの活用によって企業の競争力を向上させること、製品やサービス、ビジネスモデルに変革をもたらし収益を拡大することを指します。
近年、経済産業省が積極的に呼びかけたことも功を奏し、あらゆる業種の企業が取り組みを進めています。
DXが重視される背景には、日本企業をとりまくビジネス環境の大きな変化、そしてイノベーションの必要性があります。
○グローバル社会における競争力の強化と、新しい価値の創造
○ニーズの多様化による新たなビジネスモデルの創出
○深刻な労働力不足に対応するための業務効率化・生産性の向上
○BCP(事業継続計画)対策としてのデジタル化
○「2025年の壁」(老朽化・ブラックボックス化した既存システムの保守)への対応
いずれも解決が急務の課題です。これらの変革を実現するためには、まず、経営ビジョンを明確にし、経営計画にそったDXを進めること、そして社内テクノロジスト(DX人材)の人選・育成が必要になります。
ローコード開発とは、従来のシステム開発とは異なり、ソースコードと呼ばれる複雑なプログラミングコードを書かなくても、アプリケーションやシステムなどを作ることができる手法です。
以下の特徴があります。
●プログラミングの深い知識は必要ないため、非エンジニアでも開発できる
●コーディングの過程が減るため、開発時間やコストを削減できる
●カスタマイズしやすく環境変化に柔軟かつ素早い対応ができる
コロナ禍でデジタルシフトが進んだことや、ローコード開発プラットフォームが増加したことも影響し、企業の導入率は年々上昇中です。DXを加速させるために欠かせない開発手法として、トレンドになっています。
ローコード開発でシステム構築を内製化し、DXを推進するためには、社内テクノロジスト(DX人材)の育成が急務です。ただし、IT部門に一任するだけではそう成功するものではなく、人事が計画・推進していく必要があるでしょう。
経済産業省が、令和3年に公開した「デジタル人材に関する論点」というレポートでは「企業が変わるビジョンもなく、変革の必要性がないのに、現場のエンジニアが自発的に変わることは難しい」と、厳しい指摘がされています。
DXとは経営戦略です。経営主導でDXに取り組み、社内テクノロジストの育成についても、経営方針と連動するかたちで、人事が戦略的に進めることが望ましいでしょう。
社内テクノロジストを育成するメリットは、大きく以下4点です。
社内でシステムを開発すれば、属人化を防ぎ、サポートしやすい体制を構築できる。また、設計や工程を見える化することでシステムの内容を正確に把握できること、限られた人数で効率よく開発できることもポイント。
社内にテクノロジストがいることで、スピードを要するシステムの仕様変更にも柔軟に対応できる。市場のニーズに合わせたシステムづくりが容易になり、追加開発もスムーズにおこなえる。
社内でテクノロジストを育成することで、自社に必要なスキル・ノウハウを持った人材を継続的に維持・確保ができる。自社の課題解決からビジネスモデルの設計・企画など、中・長期的にプランを練り上げることができ、新たな価値が創出できる。
社内テクノロジストがローコード開発ツールを活用することで、外注費を抑えながらシステムを開発・改修することができる。社内で開発することでノウハウを蓄積することができる。
社内テクノロジスト・DX人材を育成するポイントは、人事主導でDXリテラシーを身につけて着実にステップアップできる研修プログラムなどを導入し、社員に実践的な知識やスキルを習得できる環境を提供することです。
例えば、学習段階がレベル分けされている教育プログラムのサービスなら、習得したいスキルに合わせて研修を受講できます。一人ひとりのTech Intensity(テクノロジー活用強度)を強化していきましょう。
基本的なITリテラシーやデザイン思考の習得、ローコード開発ツールを活用して業務課題を解決する方法を考えられる社内テクノロジストが増えれば、日々の仕事の現場からイノベーションが生まれる可能性が高まっていくでしょう。
変化の激しいビジネス環境の中で企業が勝ち残るために、デジタル化・DX導入は急務です。
日本ではDX人材が不足している状況のため、社内テクノロジストによるローコード開発を、早期に推し進められるかどうかがDX成功の鍵を握るでしょう。
ローコード開発によるシステム内製化には、外注費の削減、属人化の排除、システムへの柔軟な対応や人材の確保など、さまざまなメリットがあります。
DX人材を育成するポイントは、各人材がレベルに合わせて着実にステップアップできる研修プログラムを提供することです。経営計画を踏まえて人事が実践的な研修を提供し、ローコード開発ツールを使いこなせる社内テクノロジスト・DX人材を増やしていきましょう。
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